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侍は急に、ぴたりと止まり、太刀を抜いた。
「今宵の虎徹は血に飢えておる」
町民達は呆れ返っている。
「そら出た。関わるとまた面倒が起こるぞ」
「わしらに迷惑かけずに一人でやってくれんかのう」
「てめぇの刀が飢えてるんだからてめぇの血を吸わせりゃあ良いのだ」
侍に町民の悪口は聞こえていない。侍は自らの、絶対の自信の象徴である虎徹を眺め、うっとりしている。
そこにひゅうるりと冷たい風の吹く……。![image=435555229.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/435555229.jpg?width=800&format=jpg)
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