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新しい彼氏の光彦は気に入らないことがあると麻里子にすぐ手をあげた。
仕事で失敗した日や、少しでも麻里子が電話に出ない時など
麻里子が何度謝っても殴り続けた。
「はぁっ…はぁっ…」
ある日、麻里子はさすがにこのままでは殺されると思い、光彦のアパートから逃げ出した。
「はぁっ…はぁっ…」
近くの公園に裸足で逃げてきた。
遠くで麻里子を怒鳴るように呼んでいる光彦の声が聞こえる。
「はぁっ……逃げなきゃ……」
麻里子は皮が剥けた足の裏の痛みを我慢しながら走った。
公園の明かりがユラユラと揺れる。
視界がおかしくなる。
麻里子はもうダメだと感じた。
死ぬんだ。このまま…………………。
ドンッ!!
公園の入口ら辺で誰かにぶつかった。
「おっと…大丈夫?」
「はぁっ…はぁっ…す、すいません。大丈夫です。」
「大丈夫じゃないでしょ?その足……」
麻里子はその人の腕に支えられたまま、立てなくなった。
「あれ?もしかして………君は………」
麻里子はその人の腕の中で気を失ってしまった。
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