恋に落ちる

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目が覚めると見覚えのある天井が見えた。 「え……夢?」 麻里子が一番見たかった景色がそこにはあった。 そう あのホテルの最上階の部屋の 裕介と過ごした 何度も抱き合ったベッドに麻里子は寝ていた。 「嘘でしょ?夢?」 何度も瞬きしたが 夢ではない。 「いたっ……」 足には包帯が巻かれていた。 あたし……逃げ切れたの? 光彦から………。 「おはようございます。」 背後から声がした。 振り返るとスーツを着た40代くらいの男が立っていた。 「あの……もしかして……裕介が?」 「……はい。今、裕介様を呼んでまいります。」 男は部屋を出て行った。 うそ…… 信じられない。 裕介に……会える……。 あの別れた時からCMにも雑誌にも姿が見えなくなって どこで何をしてるかもわからなかった。 裕介に……。 麻里子はハッとした。 だめだ……。 また会ったらまたあんな辛い思いをするに決まってる。 もうあんな思いやだ。 やっと 気持ちがふっ切れそうだったのに。
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