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「……今日は僕の敗けかぁ」
僕が高校生になった4月から続けられてきた目覚まし時計との早朝の戦い。
結果は……全敗。目覚まし時計に全ての戦いの軍配が上がっている。
この目覚まし時計はおじいちゃんが高校入学祝い、1人暮らしの応援の品として僕にプレゼントしてくれたものだ。
最初はこんな起こしかたをする目覚まし時計に戸惑ったけれど、今ではこれがないと1日が始まった気がしない。
いってきます、と心の中で言ってから家を出る。気は進まないが、学生という身分なのだから学校に行くしかない。
「よし、今日も早く帰ってこようかな」
僕はこの家が大好きだ。なるべく家から出たくない。この地下室みたいな家だけどパソコンやテレビ、本などがあって不便じゃないから。
こんな僕のことを周りは半引きこもりって呼ぶんだろうなぁ…
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