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「薫さん。今何と?」
「あぁ、シャル殿はよくこのようなフリードにも掛かる仕掛けを考えつくものだと」
「あ…い…つ…」
さっき子猫とじゃれていたとは考えのつかない殺気がフリードを包む。
「どこに隠れているか知っていますよね」
「ああ……」
薫はシャルとバルトの方を見ると再びあの笑みを見せ…
「あそこに。」
と言いシャルたちのいる方を指差す。
「「やばい!!」」
シャルとバルトは口を揃え逃げようとした。
が、フリードの足の速さには勝てず、シャルは捕まってしまった。
バルトはというと運良く逃げきることができ、
「シャルすみません!!」
行ってしまった。
「バルちゃーーーーーん!!」
シャルはバルトの名を叫んだかバルトは振り向くことなく去ってしまった。
「「………。」」
「よくも俺をはめやがったな。」
「いやー…そんなんじゃないんだよ!!ほらーさぁ、最近フリードが笑ってくれないから……フリードさえ笑ってくれればこんないたずらしよーだなんて思わなかったさー…………………本当にごめんねーーーーーー!!!!!!!」
シャルはフリードに泣きながら抱きついた。
「うわーーーーー!!!!!!くっつくんじゃねーーーーー!!!!!!」
フリードは一生懸命しがみつくシャルを引き剥がそうとする。
「許してくれたらはーなーれーるー!!」
「わかったから離れてくれーーー!!」
そう言うのを待っていたかのようにシャルはパッとフリードから離れ満面な笑顔で言う。
「聞き分けのいい弟だっ!!!」
自分より高いフリードの肩を背伸びしてポンポンと叩くと何もなかったかのようにシャルは去って行った。
「………。」
取り残されたフリードは面倒な兄を持ったとため息をつき作業に戻った。
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