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こうして、先ずはお近づきになるためにシュルちゃんと自己紹介をして、助けてもらったお礼がしたいと言った所、泥田染めの手伝いをすることになったのだ。
◆◆◆
時は夕暮れ。
今日の作業も終りに近づいた頃。
里がやけに騒がしくなってきた。
賑やかではなく喧騒って方がしっくり来る。
俺や、シュルちゃん、一緒に作業をしていた他の獣人の人も泥田から上がり、帰る準備(アドヴァリを干す作業も含む)をする。
「何かあったのかねぇ?」
猫獣人の女性が声を上げた。
「俺、見てきましょうか?」
猫獣人の女性は俺より年上っぽい(生粋の獣人は二足歩行の動物と大差ない)ので敬語を使うのを忘れない。
ただ、敬語なんて使いなれてないから少しおかしい気がしないでもないが、まぁ気さくな方々だから大丈夫だろ。
「うん。こっちは大丈夫だから見てきてくれる?」
「おう」
シュルちゃんから許可をもらったので、俺は二つ返事で騒ぎの中心地へと向かった。
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