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二つ折りになっている電子辞書を開くと、既に解析中の文字。
次の瞬間。
解析終了の文字が出て、カーソルがその下の閲覧の文字に合わされている。
俺が決定ボタンを押すと直ぐに画面が切り替わった。
【ガルネク・ドック(軍用型)】
山岳地帯に棲むA級魔物。
群れで生活する犬型の魔物だが、魔国と戦争がしたい王国が、魔物を統べる魔王の仕業に見せるために特別に軍用に調教している。
王国軍特殊工作部隊の軍用犬。
知りたくない事まで知ってしまった。
どうしよう王国とか思いっきり勇者召喚してそうじゃん。
正則いいように使われてそうじゃん。
いや、正則は実際どうでもいんだけどさ。
巻き込まれた俺どうよ。
召喚にも巻き込まれたし、裏工作にも巻き込まれたし、もう何このフラグの乱立!
別に求めてねぇよ!!
『がぁあ!!』
その時、俺の肩辺りから血飛沫が舞った。
視線を向けると俺の横を通り過ぎるガルネク・ドック。
そして、口には俺の腕が。
腕……が…。
「あ、ああぁぁぁああああ!!」
肩口から噴水のように血飛沫があがる。
紛れもない。俺の血。
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