脇役君、巻き込まれる。

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『先程も言ったが選択肢なぞ異世界に行く以外無いぞ? 異世界召喚という亀裂は対象である天宮正則を召喚した今では閉まるだけ。 お前は世界間の境界に押し潰されて消滅したいのか? 今なら神である俺が閉まる前に落としてやるぞ』 「いや、今引き上げてくれたら済む話だろ」 『この白く染まった景色を見て分かれ。 ここは既にお前のいた世界ではない。 閉まりかけたその空間を俺の住まう神域に取り込んだ。 お前のいた世界。 お前が先程までいた場所はもう、何事もなかったように修復されている。お前逹事な』 見るか? そういって神が指を鳴らすと、俺の目の前にディスプレイが現れる。 そこに映っているのは何事もなかったかのように帰る正則と俺。 『正確には何事もないだ。 最初から異世界召喚なんて非現実的でイレギュラーな現象など起きなかった。 そんな世界に修復した。 あるべき姿に直っただけだ。 さて、もう一度いう。 お前に選択肢などない。 黙って異世界に落ちろ』
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