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「どうしたの?そこにいたら危ないよ」
まだ泣いている。私の声は届いていないのだろうか。
「ねぇねぇ…名前は?」
―いきなり泣き止み彼女は言った。
「――梶鳴海」
なぜか胸騒ぎがした。名前が同じだったから…ではない。
彼女が泣き止み顔を上げたからだ。
その子は私と同じ顔。目、鼻、口、眉まで全て同じだった。
「お姉ちゃん。声をかけてくれてありがとう!もう大丈夫だよ!!」
「…ッ!!!」
私は声が出ず、うなずくだけだった。
「じゃあね!お姉ちゃん。バイバイ!!」
私には何があったのかわからなかった。
その後の記憶はない。
どうやって帰ったのかも覚えていない。
目が覚めたら朝で自分の部屋だった。
私は女の子との出逢いは夢だと信じ込んだ。
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