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私には恋人がいる。
自分の事はもちろん、他人の事まで完璧で。
凄く、カッコいいと思う。
その姿に憧れて、手伝いをするんだけど…
「――ちょ、危な…!!」
『うぇ…』
段差に躓いた拍子に小麦粉が入ったボールをひっくり返して、さらに小麦粉を被った。
大失敗…なんでいつもこうなのよ!!
『…デント、ゴメンね?』
「―ん?」
『手伝いをしてる筈なのに逆に迷惑かけちゃってるし…その…』
「いいんだよ、気持ちだけで充分だしね」
『――デントぉ!!』
ガシッ、とデントにしがみつく。
頭の小麦粉を払うように頭を撫でるデント。
「…でもさ…」
『うん?』
「やっぱりそのドジは直そうか」
『うん…そうだね』
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