0 あの頃の夢

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―― ――― ―――― 4月 桜の花がちょうど良い感じで咲いている。 入学式には桜が咲いていることが多いが、俺は卒業式に咲く桜のほうが好きだ。何故か、と聞かれると上手くは答えられないが後者のほうがなんとなく俺の中の桜のイメージとあっている。 俺が入学した高校、都立星見高校は入学式を校庭で行っている。風が吹く度に校庭に植えてある桜が風に靡き俺たちの頭上に降りそそぐ。校長の長い話は退屈で、今にでも寝てしまいそうだ。 ここ、都立星見高校は都立のくせしていいとこの私立並みに変わっている。この入学式もそうだが、『星見』にちなんで天文科なんていう変わった学科があったり、部活の新設は自由、漫画みたいな生徒会があったりととにかく変わっている高校だ。 そんな感じで人気が高く偏差値も高い。 俺も苦労して入学した――訳ではなく勉強は比較的できるほうで、推薦で合格した。
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