蹉跌

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「えーと、右から二番目のピースをよく見て。  壊れている割れ目を追いかけてくれるかな。さっき入り口で渡した斧でたたくと割れ目で崩れるから、最低限の破壊で、割れ目を最後まで追いかけて欲しいんだ」 「え?」 「あ、やってみせるから」  宮内は、潰れた墓石風のテストピースとやらを睨み、列状に崩れた部分の平行な割れ目の先を、手斧で叩いた。すると割れ目の線上にに更に割れ目が現れた。 「ここにクラックの線があるのが見えるかなぁ」 「はい」  割れ目の延長に細い線がテストピースの先の地面に延びていた。 「こういうのがどこまで伸びているか追いかけて、このマーカーでその終わりをチェックして欲しいんだ」  丸尾は返事をしながら戸惑っていた。
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