嵐のような告白

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小野君からもらったカレーパンは、とてもおいしかった。 お腹が空いていたからか、それとも小野君がくれたからか。 ・・・きっと、小野君がくれたから。 だからこんなに美味しいんだ。 カレーパンを食べ終わると、あたしはすぐさま小野君のコーヒーを買うべく、教室を飛び出した。 「今日も壱星(イッセイ)のパシリ、ご苦労様」 「・・・あ、彰人(アキト)君!!」 コーヒー缶を片手に廊下を歩いていると、隣のクラスの彰人君が、ふっと笑いながら声をかけてきた。 「パシリやってるわけじゃないよ?」 カレーパンも貰えたし。 あたしは首をブンブンと横に振って否定する。 小野君には秘密だけど、転校初日、あたしは小野君に淡い恋心を抱いた。 今日に入った瞬間、窓際の席に座って窓の外をボーッと眺めていた小野君に、あたしは釘づけになった。
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