141人が本棚に入れています
本棚に追加
というか、小野君が顔を近付けて喋るから、あたしの頭がまともに働かないんだ。
「・・・えへへ、忘れちゃった」
こういう時は、笑って済ませるに限る。
ポリポリと頭をかきながら照れ笑いを浮かべる。
小野君はそんなあたしを見て、うんざりした表情を浮かべた。
「使えねぇな。焼きそばパンとカレーパンと・・・あとは適当に買ってこい」
適当にっていうことは・・・ーーーー
「・・小野君も覚えてないんだ・・・」
心の声は口からポロッとこぼれ落ちていたみたい。
慌てて口を塞いだけれど、時すでに遅し。
「何か言ったか?」
小野君は口の端を持ち上げて意地悪く笑うと、グイッと顔をあたしに近づけた。
30cmがギリギリなのに、今は5cmもない。
少し動けば、お互いの唇が触れ合ってしまいそうなほどの距離。
最初のコメントを投稿しよう!