嵐のような告白

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というか、小野君が顔を近付けて喋るから、あたしの頭がまともに働かないんだ。 「・・・えへへ、忘れちゃった」 こういう時は、笑って済ませるに限る。 ポリポリと頭をかきながら照れ笑いを浮かべる。 小野君はそんなあたしを見て、うんざりした表情を浮かべた。 「使えねぇな。焼きそばパンとカレーパンと・・・あとは適当に買ってこい」 適当にっていうことは・・・ーーーー 「・・小野君も覚えてないんだ・・・」 心の声は口からポロッとこぼれ落ちていたみたい。 慌てて口を塞いだけれど、時すでに遅し。 「何か言ったか?」 小野君は口の端を持ち上げて意地悪く笑うと、グイッと顔をあたしに近づけた。 30cmがギリギリなのに、今は5cmもない。 少し動けば、お互いの唇が触れ合ってしまいそうなほどの距離。
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