嵐のような告白

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小野君から漂う甘い香水の匂いが、鼻をくすぐる。 「・・・・ーーパン買ってくるね!!」 ダメ!もう限界!! あたしは勢いよく立ち上がると、小野君から受け取った長財布を手に走り出す。 小野君はそんなあたしを、満足そうに眺めていた。 あたしと小野君の間には、完璧な主従関係が出来上がっていて。 あえていうなら、小野君は王様であたしはペット。 毎日尻尾を振って、王様である小野君に仕えている。 最初は確かに戸惑った。 彼の言う「付き合う」という言葉の意味は、そういうことだったのか・・・!!って。 ちょっぴり落ち込んだりもしたけど、小野君と付き合いを重ねていくうちに、気付いた事が一つある。 小野君は物凄く不器用な人だけど、あたしに『ムチ』を振るだけじゃない。 ちゃんと『アメ』もくれる。
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