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｢早く乗れ｣
｢うん!｣
あごでそう指示されて、満面の笑みで頷く。
なんとかバイクにまたがり、小野君のシャツを軽く掴むと、小野君が振り返った。
｢お前、落ちたいの？｣
その声と同時に、あたしの両腕は小野によってお腹に回されていた。
両腕に小野君の熱を感じて、心臓がうるさく鳴り始める。
力いっぱい小野君のお腹に腕を回して、顔を背中に押し当てる。
ヘルメットがなければ、もっと小野君に近づけるのに。
でも、これで十分かも。
これ以上は刺激が強すぎる。
｢捕まってろ。落ちたら置いてくぞ｣
｢置いてくって････そんなのひどい････落ちたらケガしちゃうよ････｣
ボソボソと独り言を呟いているうちに、バイクは滑らかに動き始めた。
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