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あれから数時間がたちすっかり日が暮れた頃。ジェイドは先ほど訓練所で話したトーナメントのことについて自室で悩んでいた。
部下には皆、自分とトーナメントにでることを断わられたのだ。
「全く軟弱な部下達で困ります・・・このままでは仕事が出来ませんね」
一度気分を変えようと思い、自分のかわいがっている白い鳩を愛で始める。
「どこかにいませんかねぇ実力と正義感を持っていて、そして
....
私の頼みを必ず聞いてくれるような人が
……
あっ……
いましたね」
突然ペンと紙を取り出し手紙を書きそれを封筒に入れた後、部下を呼んだ。
「これを退魔師の烈獅丸に渡して下さい」
「えっ、退魔師無勢にですか?」
部下はいやそうな顔をしてつぶやいた。
退魔師と呼ばれる職業には悪い噂が多いからだ。憑依モンスターに憑依された人間を救えるのは彼らだけである。
そのため報酬に法外のお金を巻き上げたり、偉そうな態度で仕事をしたりとよくない噂しかない。
...
「ええ、大急ぎでお願いします」
部下の嫌みもジェイドには聞かなかったらしくニコニコしながら彼を見ている。
数分間にらめっこの末、遂に彼はあきらめてその退魔師に手紙を渡しに行った。
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