そんな彼の日常

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AM7:00 瀬里奈はいつもの裏路地にやってきた。 (やっぱり寒いなぁ…) 事の発端は彼女がある人物に「普段何をしているかわからない」と言ったところ休日を使って監察することを許可されたことである。 目の前には大きな棺桶。 「これがここにあるってことは、こんなに早く起きてるわけない、か。」 「せーりーにゃんっ!」 「きゃあああああ!?」 突然後ろからのしかかられ、悲鳴をあげた。 「遅かったじゃんか。」 「だって…、何時起きなんですか?」 「日が昇る前。本来夜行性だからなるべく身体馴らさないとじゃん?」 「……。」 そして一連の流れの後、朝食。(もちろん血液錠剤。) それからも監察していたが、ずっと難しそうな本を読み続けるばかり。 (朝早かったから眠い……。) 半ば押し付けられたような勢いで野良猫達の遊び相手をしていた瀬里奈だったが、容赦なく睡魔が襲ってきた。 PM12:00 昼食。 意外と規則正しい。 そしてこの辺りから本当に日なたに出なくなる。 「瀬里奈、眠い?」 「はい。思ったより動かないので。」 「うん、結構こんなもんだよ。この白衣があるとは言っても、昼型の吸血鬼なんて……ねぇ?」 瀬里奈は大きな溜め息をついた。 (もしかしてこのまま……?) 「そういえば、時々出掛けてる時あるじゃないですか。あれは……」 「主に血液錠剤の売り込み。今日は行かない。何故なら快晴すぎて気分悪いから。」 「なんという堕落生活……!」 ある意味、吸血鬼だから許されるようなものである。 そして午後もずっと読書or野良猫と戯れる。 「……よくもまぁこんなんで時間つぶしてますね……。」 「お前も人のこと言えないだろうが。あとね、この辺りで俺が血を飲んだ人間の監視もしてるから結構疲れるんだよ?」 「そういえばそれ!どういうメカニズムなんですか?」 「一人一人に俺の魔力の一部を流し込んで、ちょいちょい操作すれば、はいまる見え、と。その首筋の傷が消えないのもその影響ね。」 「……それならせめて手首にして欲しかったです。」 「そうする?」 「嘘ですごめんなさい。」
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