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「……どうしても、ダメなんですか?」
「……ああ。悪いけどな。」
「……。」
「なっ……、泣くなよ!」
「じゃあ教えてください!
どうして名乗ってくれないんですか!?
」
緊迫した空気がなんともいえなく緩む。
「だから言ってるじゃないか。あんまりいい思い出が……」
「もうこの際偽名でもいいですから!」
「はあ!?」
青年がたじろいだ。
「ねっ、じゃあ偽名でいいですよね?」
「なんでそんなに輝かしい顔してんだ?」
「じゃあ、私も考えますので」
「『じゃあ』って!なんで勝手に話進めてるの!?あとさりげなく本名聞き出そうとしたな今!?」
「……ダメ、ですか?」
「ダメとか以前に、なんでそんなに執着するのかがわからない。」
「……利便的に。っていうか、こんなに親しいのにお互い名前も知らないなんて……。」
「瀬里奈……、今日お前どうし……あっ!!」
「え?今私の名前……」
「……監視してるし、血から情報が……」
「白衣……脱ぎなさい。」
「え?」
「教えてくれるまで返しませんから!!」
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