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主治医がどんな話をしたのか,私は覚えていない。
次々と繰り出される,非日常の言葉に,私の脳みそはエラーとなったまま,動かなくなっていた。
覚えているのは,真っ白な床と壁と天井。
ホワイトボードと主治医の白衣。
木目の長机や青いパイプ椅子もあったはずなのに,こびりつく記憶は,ただただ白い。
今まで見たことのないほど,強張った顔の家族。
きっと私も同じ顔をしていたんだろう。
病院からの帰り道,家族とどんな話をしたのか,自分はどんな気持ちだったのか‥何も思い出せない。
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