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「ルノア・・・普通に血を吸ったでしょ?」
普通は吸血鬼にするときは、逆に血を与えるだけだから気絶する筈がない。
「ん。あまりに旨そうな血だったのでな。ついな。」
「だからって貧血で倒れるまで吸うことないでしょ。」
貧血になるんだから、それなりの量の血を吸ったんだろうなぁ。
「いや、今までの人間の中で一番旨い血だったのでのぉ。止まらなかったのじゃ。別にいいではないか。死んだ訳でもあるまい。」
それにしてもルノアが一番旨いって言うんだから相当美味しかったんだね。
にしても真祖は吸血衝動を自分で抑えられ筈なんだけどなぁ。
それなのに吸収衝動がでるなんて・・・。
なんでだろう?・・・・・・あ!?
「まぁ美味しいだろうね・・・。魂だけの状態で沢山の魔力を吸収したんだから。血に含まれる魔力が異常に多かったんだね。」
「それより今のうちに吸血鬼にしてもいいかのぉ?」
「別にいいんじゃない?確か痛みを伴うんでしょ?だったら気絶してる間にしてあげたら?」
そう言うと、ルノアは再び蓮君の首筋に口を当てた。
すると貧血で青白かった顔が少し戻り、同時に顔が苦痛の表情に変わった。
「痛みは少しの筈なんだがの。少しおかしいの。」
確かに異常に痛がっているし、時間も少し長い。
神力の影響かな?まぁ蓮君の適応があればなんとかなるでしょ。
そんなことを考えた矢先、いきなり蓮君の体が光が溢れだした。
「「っ!?」」
少し経つと光は収まった。目が回復してから蓮君を見ると、信じられない姿がそこにはあった。
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