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「あぁそうそう。魔力を吸収した感覚覚えてる?」
「覚えてるけど、それが?」
沢山パワースポットを回ったから、感覚はよく覚えている。
「魔法使うときはその吸収する感覚の逆で、外に出す感じでね。まぁ知識に魔法の使い方とマディの基本的な常識は入れとくから。
あと、固有属性は流石に全部使えないから、使える人の血を摂取すれば使えるようになるよ。」
「血を摂取すれば、ね。」
吸血鬼の力のせいかな?
まぁそんな機会はあまりないだろうし、別に気にしなくていいか。
「それじゃあ今から門を創るから。その門を潜ればマディだから。」
「小野宮蓮。我を退屈させるなよ?」
ルノアさん・・・それは俺の行動を逐一監視してるということでしょうか?
「・・・善処します。」
「まぁ我の息子として、吸血鬼の誇りに泥を塗る真似だけはするではないぞ?」
息子という言葉に思わず、体と思考が止まる。
「・・・む、息子?」
「我の血を与えた者は我の息子だ。異論は認めんぞ。」
「いや、ありがとう。」
「ん?別に感謝されることはしていない筈じゃが。寧ろ普通ならこちらが謝るべきところじゃろうな。まぁ謝らんがの。」
・・・一応常識はあったんだ。
ていうかやっぱり謝る選択肢はないのか。
「俺は親が物心つく前に死んだらしくて、親と呼べる人が居なかったから。なんか嬉しくてね。」
「ふん。なら今からは我がお主の母親じゃな。」
「蓮君。門が出来たよ。」
シンに呼ばれ振り返ると、そこにはてっぺんが見えない程大きな門があった。
「何度見ても大きいのぉ。」
隣でルノアさんが感嘆の声をあげる。
「それじゃあ今開けるからすぐに潜ってね?」
「了解。それじゃあルノアさん行ってきます。」
ルノアさんにお辞儀をしてから門に向かって歩いていく。
「おぉ。存分に楽しんでくるがよい。」
ルノアさんの言葉を聞いた瞬間。
俺は光に包まれた。
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