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後から聞いた話しだが、この図書館は国土最大を誇っているらしい。
大きさは東京ドーム2個分の敷地面積だそうだ。
「中も凄いな・・・。」
中は見渡す限り、本、本、本、本、本。
一体何冊あるかは知らないが、とりあえずこれだけあれば魔法の勉強には困らなそうだ。
「その前に完全記憶能力か。
血を操って脳の細胞に働きかければいいんだよな。」
とりあえず近くの椅子に腰掛け、ゆっくり目を閉じて吸血鬼の力を行使する。
別に目を閉じる必要はないが、吸血鬼の力を使うと、使っている間は瞳がルノアさんのように赤くなるため、念のため見られないようにしている。
血の巡りを感じ、脳に流れている血を通して脳に働きかける。
「・・・・・・・・・・・・ッ!?」
若干頭に痛みが走ったが、とりあえずはこれで完全記憶能力が使えるようになった筈だ。
一応オンオフを切り替えられるようにもしておいた。
「さてと、魔導書でも探しますか。」
「あったはあったけど・・・・・・数が有りすぎる!」
魔導書のコーナーの本棚は幅30メートル、高さ10メートル。
流石に全部は読み切る自信がない。
「せめて幾つか選抜できればな・・・。」
トントン
どの本から読むか迷っていると、いきなり肩を叩かれた。
「ん?」
後ろを振り向くと帽子をしっかりと被ったうすい青い髪の少し小さめな女の子。
「・・・」
「・・・」
お互いに見つめ合いながら沈黙が続く。
なんか目をそらしたら負けな気がする。
というかあっちから肩を叩いてきたんだから、何かしら用があるだよな?
そんなことを考えていると、漸く女の子が口を開いた。
「・・・困ってる?」
それは君への対応についてか?
それとも本についてか?
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