大都市アールズ

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「・・・本・・・探してる?」 「え?あぁ魔導書を一から勉強したいんだけど、どれから読めばいいか分かんなくてね。」 とりあえず本のことらしいので、素直に今の状況を伝える。 これで教えてくれるなら有り難い。 「・・・属性は?」 「一応全部かな?」 「・・・・・・。」 あれ?なんかまずかったかな? 流石に全部はおかしかったか? 「・・・・・・それじゃ・・・この棚のこの列と・・・・・・こっちの棚のこの列。」 「そこにあるのがオススメ?」 そう聞くと、コクンと一つ頷いた。 「助かったよ。ありがとう。 でもどうして親切にしてくれたの?初対面だよな?」 またコクンと頷く。 「・・・同族」 同族?種族が同じなのか? 見た目は人間だけどな・・・。 帽子の下になんかあるのか? 「君の種族は?」 すると帽子をゆっくりと外した。 帽子を外すと、額に一本の小さな角が。 「・・・・・・鬼族・・一角一族。」 鬼族だったか・・・。 「俺は人間なんだけど、どうして鬼族だと思った?」 見た目では分からない筈だ。 何か鬼族特有の判別方法があるのか? 「・・・さっき座ってた時。」 力を使った時か・・・。 でも確証は無いはず。なんとか誤魔化せるか? 「ただ座ってただけでしょ?それに俺は人間だ。」 「・・・・・・・・・」 何か言いたげな表情だが、ここはさっさと本を読み始めてしまおう。 本を邪魔してまで聞いてはこないだろうし。 俺はすぐさまさっき教えて貰った本を、数冊まとめて抜き取り、近くのテーブルについて本を読み始める。 なぜかさっきの女の子が向かいに座ってたが、気にしないで読み続ける。image=443165180.jpg
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