血と影と魔法と異世界と

ギルド

「ルールは簡単だ。相手が気絶するまで。この空間では死ぬことはない。賢者に無理言ってやってもらった特別製だ。存分に殺しあえるぞ。」

賢者様は本当に可哀想だな。
死なない空間は『時』属性を応用してるのかな？
じっくり調べたいな・・・。

「それじゃ両者とも準備はいいわね？」

どうやらリコさんが審判をやるらしい。

「準備万端だ。」

「こっちもオッケイ。」

「それじゃあ始め！」

開始の合図と同時にミリさんが地面を勢いよく蹴り、凄いスピードでこちらに向かってくる。

手にはいつの間にかレイピアが握られている。

「魔武器か・・・。」

魔武器とは、魔法をかけながら作る武器のことで、武器一つ一つに固有能力がある。
基本的に空間魔法の魔法陣を刻んであることが多く、普段は異空間に収納できる。

「今度にでも創るか。とりあえずは魔法で防ぐか。

『光壁』（こうへき）」

光魔法の初級魔法で、ひとまずミリさんの突進を防ぐ。

「チッ・・・少年は武器は使わないのか？」

「使ったり使わなかったり」

「まぁいい。いくぞ！

身体魔装『地』」

身体魔装とは、属性の魔力を体に纏い、身体能力を上昇させる魔法。
身体魔装には、全身を強化する身体強化と、部分的に強化する部分強化がある。
効果は属性の特性に左右される。

ミリさんがしているのは、地属性の身体強化。

地属性の主な特性は『硬化』。
攻防力が平均的に上昇し、バランスがいい。

「こっちも。

身体魔装『光』」

光の特性は『反射』『癒し』
反射は相手の攻撃の威力を半減させたりできる。
癒しはダメージを受けても、すぐさま回復することができる。