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「ん、はぁ~~。」
欠伸をしながら今の時刻を確認する。
朝の7時45分。
何時もなら二度寝するところだが、残念ながら今日はテストだ。
流石に遅刻するのはマズいだろう。
寒くて布団から出たくないが、しょうがなく布団から体を出す。
まだ4月に入ったばかりでまだ少し肌寒い。
今日は春休みが終わり、高校生2学年としての最初の日。
始業式と休み明けテストだけだから楽だが、休み感覚がまだ抜けていないので、物凄くめんどくさい。
「飯作るのもめんどくさいな・・・。パンでいいか。」
因みに一人暮らし。
親は物心つく前に亡くなったらしい。
叔母が引き取ってくれたが、高校に入ると同時に一人暮らしを始めた。
まぁそんな些細なことは今はどうでもいい。
時計を見ると時刻は7時55分。
此処から学校までチャリで全力で約30分。
8時半には正門が閉まる。
少し急いだ方が良さそうだ。
急いでパンを食べ終え、制服に着替える。
ここまでの所要時間は4分
「間に合うかな?」
しっかり戸締まりを確認してから、自転車跨り全力でペダルを漕ぐ。
たぶん一個でも信号につかまったら遅刻だ。
まだ無遅刻無欠席だから出来れば遅刻はしたくない。
3つ信号をクリアしてから少しすると、最後の信号見えてきた。
「あ、ヤバい点滅してる!」
ギリギリ渡れるか渡れないかかな。
行けるかな?
そんなことを考えながら、横断歩道に信号が点滅し終わる直前にさしかかった。
瞬間。周りの時間がゆっくりになった。
横を見ると大型トラック。運転手の慌てた顔がよく見えた。
それと同時に蘇る思い出の数々。
俺ってこんなに動体視力良かったのか?
スポーツとか真面目に打ち込めば良かった!
・・・・・・これ走馬灯だよね?
だんだんトラック近づいてきてるし。
あぁー。死ぬんだったらライトノベル全部読んでおけばよかった。
もう少し生きたかったな・・・。
それを最後に俺の意識は途切れた。
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