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しばらくボーっとしながらリコさんを待つ。
「あったわよ。」
リコさんが書類を一枚掲げながら戻ってきた。
「ん。どうも。
なになに・・・討伐依頼『ルナウルフ』2頭。場所は『ドゥ・ヴェルデンヴァーデン』?」
「知らない?ドゥ・ヴェルデンヴァーデン。通称迷いの森。入り組んだ造りをしていて、毎年100人は入って帰ってこないことで知られてるわね。」
「へぇ、危ない場所だね・・・。」
ドゥ・ヴェルデンヴァーデン。
古代語だよな?
シンから貰った知識には何故か古代語の知識まであったので、古代語は完璧に理解できる。
恐らく言語を知識に入れるときに間違っていれたのだろう。
ドゥ・ヴェルデンヴァーデン。
古代語で「守護する森」か・・・。
何か護るものがあるのか?
「・・・行けば分かるか。」
「ん?行くの?結構危険よ?」
「面白そうだから行ってみるわ。場所はどこ?」
大した距離じゃなければ、飛んで行けばすぐに着くだろう。
「北門から出て、道なりにずっと行くと別れ道があるから、そこを右に行けば着くわよ。」
「了解。それじゃあ行ってくる。」
そうリコさんに言ってからギルドを出た。
そして北門までやってきた。
因みに俺が最初に通った門は南門だ。
「おじちゃん門開けて~。」
「あいよ。坊主はどういう理由で街を出るんだ?」
「ギルドの依頼。」
「ギルドの依頼だな?それじゃあ気をつけて行ってこいよ。」
「あいよ~。」
門番と軽く言葉を交わしてから街を出る。
「とりあえず少し歩くか。」
流石に街の近くでは翼は出せない。
人目が少しあるため、目立つことはできない。
「ここまでくればいいかな?・・・よっと。」
バサアァッ
背中に純白の一対の羽が現れる。
「行きますか。」
地面を蹴って空に勢いよく飛び上がる。
「方角は・・・あっちか。」
下の道を見ながら方角を確認し、目的地を目指して楽しみながら飛んでいく。
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