守護する森

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街から飛ぶこと約30分。 途中に特に何事もなく、無事にドゥ・ヴェルデンヴァーデンにたどり着いた。 「さてと、着いたはいいけど依頼主はどこに住んでるんだ?」 依頼主は近くの村の村長らしいが、村が全く見当たらない。 「・・・ん?匂い?」 微かだが風に乗って何かを焼いている匂いがした。 吸血鬼になってから五感が鋭くなったらしく、吸血鬼じゃなかったら気付きすらしないだろう。 「あっちか・・・。」 とりあえず匂いの流れてくる方に歩きだす。 しばらく歩くと匂いは強くなっていった。 ここはドゥ・ヴェルデンヴァーデンから西に5キロほど離れた場所にある小さな森だ。 「ん?誰かいるな。」 遠くで誰かが話している声が聞こえる。 声色からして楽しくお喋りでもしてるのだろう。 「誰かいるか?」 声の主に気づいてもらえるよう少し大きめの声で叫ぶ。 「誰?」 現れたのは二人の女性。 見た目からして獣人のようだ。 「ギルドの者だ。ルナウルフの討伐に来たんだけど、村長はどこにいる?」 「村長に用事?なら案内する。」 「助かる。」 そのまま二人の案内のもと、村長宅にたどり着いた。 「これはこれはご足労ありがとうございます。」 「まぁ依頼ですから それでルナウルフはどの辺りに出没するんですか?」 今は村長宅で依頼内容の確認をしている。 ルナウルフはどうやら番らしく、餌を求めてさ迷っているらしいが、最近になって村の家畜がやられたらしい。 「それではお願いします。」 一通り話してから、再びドゥ・ヴェルデンヴァーデンに向かった。
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