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「こいつが戦うからこんなに広い訳か。」
改めてこの空間を見渡す。
よく見れば闘技場のように丸い造りになっていた。
「観客席は流石にないか・・・。」
まぁ観客が居るわけないので当たり前なんだけど。
それより魔導機の方は殺る気満々だね~。
こっちは全然戦いたくないけどね。
そんなこっちの意思は関係ないようで、魔導機はドシンドシンと足音を立てながらこちらに走ってきた。
「まぁそうなるよね・・・存在意義だろうし。
はぁ、本気でいくか・・・身体魔装『血』」
身体魔装『血』は、もちろん血属性の身体魔装だ。
他の属性と違う所は、基本属性は身体を補助する形で強化しているが、血属性は血を操り身体の筋肉や細胞を強化し、身体能力自体が驚異的に上昇する。
ついでにルナウルフのときみたく、血を外部で自在に操り攻撃や防御も可能みたいだ。
もちろん影も自由自在だ。
「行きますかっ!」
驚異的に上昇した身体能力を活かし、高く飛び上がる。
ちょうど魔導機の上に来たところで詠唱を始める。
「我は血の王の眷属なり 我は血を操り支配する者なり 我が血は刃となりて降り注ぐ 『血の雨(ブラッド・レイン)』」
体中にまだトラップによる怪我が残っていたので、そこから血が大量にまるで生きてるかのように流れでてくる。
その血が一カ所に集まり、集まったと思うとその血の集まりから大量に長さ30センチの棘が魔導機に降り注ぐ。
俺は魔導機の背後に無事に着地し、すぐさま魔導機から距離をとる。
え?貧血は大丈夫か?
大丈夫大丈夫。血は体内で少ない魔力を使って自動に大量に生成できるみたいだから、貧血になることはないみたい。
閑話休題。
魔導機に目を戻すと、うまくガードされたようだが、右腕に無数に血の棘が刺さっている。
そのせいで腕が上がらないらしく、何度も右腕を動かそうとしている。
「血魔法は通用するのか・・・。基本属性はあまり効果ないだろうな。」
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