信号は気をつけて渡りましょう

3/6

8763人が本棚に入れています
本棚に追加
/279ページ
次に目を覚ますと、目の前に広がる自分の蒼白な顔。 「うわ!?」 あまりに気持ちが悪く、思わず飛び退いてしまった。 「ていうか俺?」 ここでさっきまでのことを鮮明に思いだした。 「あぁー・・・そういや俺死んだんだっけか。」 不思議と悲しいなどの感情は湧かない。 さて、これからどうしたものか。 残念ながらこのまま大人しく成仏する気はサラサラ無い。 「とりあえずブラブラしてみるか。」 ひとまずする事もないので、辺りを散策してみることに。 「おぉー・・・やっぱり浮遊できるのか。 てか風呂とか覗き放題だな・・・」 浮遊できることに驚きながらも、やはり男子高校生、邪な考えがすぐに思いつくのはご愛嬌。 「とりあえず学校行ってみるか。」 事故の連絡も行ってるだろうし、一応様子を見に行くことに。 「まだHR始まってないのか。」 まだ時間的にも余裕があったので、浮遊で空の散歩をしながらゆっくり来たのだが、どうやらそれでも少し早かったようだ。 「ほら、席に着けー!」 それから少しすると担任が教室に入ってきた。 相変わらずヅラが目立つ。 あれでバレてないと思ってるのが更にウケる。 「えぇー、新学年になってめでたい日なんだが、残念なお知らせがある。」 お!俺のことか? 「うちのクラスの小野宮だったか?そいつが今朝学校に来る途中に、信号無視したトラックに跳ねられ亡くなったそうだ。」 一応自己紹介するけど、俺の名前は小野宮蓮ね。 やっぱりみんな悲しむのかな? そんな期待を胸にクラスの生徒に視線を向ける。
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8763人が本棚に入れています
本棚に追加