守護する森

10/15
前へ
/279ページ
次へ
少し横に動いてみたが、どうやら腰の部分が360度回転するらしい。 ずっとあいつの真っ正面に俺がいる状態だ。 撃つ瞬間に避けてもいいんだけど、如何せん攻撃範囲が予測できない。 もしめちゃくちゃ広かったら避けようがないし、撃つタイミングも分からない。 防ぐにもあの魔力量を防ぐのは少しキツい。 というか防ぐ自信がない。 そんなことを頭でぐだぐだと考えているうちに、どうやら発射の準備が出来たらしい。 「攻撃範囲が狭いことを祈ろう! 死ぬことはたぶんないし、大丈夫だろう。・・・大丈夫だよね?」 やけくそで開き直り、身構え攻撃に備える。 キュイイイイイイイーーーーン 魔力が視覚化できるほど集まっていく。 「・・・前言撤回。あれはくらったら消滅する。」 予想以上の魔力量だった。 あれは流石に再生する暇もなく、塵も残さず掻き消される。 というかあの赤い結晶からの魔力の補給量が異常なのが計算外だった。 ・・・・・・・・・・・・あれ? あの赤い結晶が核なんじゃね? 「撃つ前に回収する!」 核の存在に気づき、慌てて魔導機に近づく。 「空間指定」 空間魔法で核を中心とした半径15センチの空間魔法の結界を展開する。 「空間隔離」 そしてその空間内を世界から一時的に隔離。 これで魔導機に魔力供給はされない筈だ。 少し離れて魔導機の様子を窺う。 ・・・・・・・・・・・・どうやら活動は停止したようだ。 「ふぅ、流石に死ぬかと思った。」 ため息をつきながら影縫いを解除する。 すると魔導機は音を立てながら崩れ落ちた。 「核を回収するか・・・・・・空間交換」 目の前に一つ空間魔法の結界を展開し、その中と核を囲っている結界内の空間を空間魔法で入れ替える。 すると目の前の結界内に核が現れ、魔導機の中を見ると核は完璧に無くなっていた。
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8763人が本棚に入れています
本棚に追加