守護する森

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「あと一時間ぐらいで日が暮れるのか。」 別に日が暮れようと、吸血鬼は夜目がきくため暗かろうが関係ないのだけれど、夜行性の魔物が出てくるのは面倒だ。 「暗くなったら適当に野宿でもするかな。」 暗くなるまでは活動することに決め、次にどっちに行くか考える。 「そういや、まだ不思議な魔力の原因を突き止めてないな・・・。 魔力の濃い方角に進めば着くかな?」 魔力探知で不思議な感じの魔力の濃い方角を見極める。 「・・・・・・こっちか。日が暮れる前には着きたいな。 しょうがない走っていくかな。」 足に部分魔装を施し、魔力の濃い方角にひたすら全力で走る。 走っていくと、どんどん魔力が濃くなっていくのが分かる。 それから辺りが暗くなるまで走り続けて、不意に立ち止まる。 「ありゃ?なんか囲まれてる?」 周りの気配を探ると、前方に二つ、後方に三つ、右と左に一つずつ。 魔物かと思ったが、この視線は人独特の纏わりつくような視線だ。 種族が人間かは知らないが、とりあえず魔物ではなさそうだが、囲む意味が分からない。 俺が何かしたか? 勿論盗賊という可能性も大だ。 「えーと。とりあえず出てきてくれない?」 対処方法も分からないので、とにかく話しかけてみることに。 だが、一向に出てこない。 周りの魔力の震えから、念話か何かをしているようだが、なかなか出てくる気配がない。 いっそのこと、こちらから近づこうかと考えていると、漸く前方から二人が歩いてきた。 「お前は人間だな?」 出てきて早々相手の一人が質問を投げかけてきた。
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