エルフの隠れ里

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ということで、題名から分かるようにコイツ等はエルフらしい。 暗くてよく見えなかったが、近くで見ると確かに耳が人間より尖っていて長い。 「そういや、里の周りに何か結界張ってる?」 俺は槍を使っていたエルフのルーイに何気なく訊ねた。 「・・・あぁ。里の存在を知られないようにな。」 「俺が知ってもいいの?」 「お前の処分をどうするか族長に念話で話したら、族長が面白そうだから連れて来いと仰ったのでな。お前は例外だ。」 族長・・・そんなんでいいのか? それでよく今まで見つからないできたな。 あと、さっき気づいたんだけどこの不思議な感じの魔力は、どうやらエルフの里を覆っている結界の魔力らしい。 「そろそろ里に入る。」 魔力探知で辺りの魔力を調べていると、不意にルーイが呟いた。 すると大きな木の下まで行き、何やら唱え始めた。 聞き取りは出来なかったが、恐らく結界内に入るための詠唱だろう。 詠唱が終わり何が起こるのか、ワクワクしながら待っていると、いきなり木の根が動きだし、地下に続くような門を作り出した。 「これを潜ればエルフの里に入れる。」 「今のなんで木が動いたの!?」 「あぁ、エルフの固有属性でな。『木』属性というんだ。植物を操ることの出来る属性だ。」 固有属性か・・・じゃあ使えないな。 血を飲める機会も無いだろうな。 そんなことを考えながら門を潜る。 門を潜るとそこには少し不思議な空間が広がっていた。 「へぇ~。木属性は便利なんだね。 まさか木が生きたまま家にするなんて。」 目の前にある沢山の家は全て高床式になっているのだが、全ての家が木が立ったまま、木自体を使って家になっていた。 簡単にいうと、見た目は木に穴を掘って巣を作る鳥の巣を巨大化させた感じと言えば分かるだろうか?
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