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「我らエルフは人間のように、無闇に自然を傷つけたりはしない。
我らエルフは昔より自然と共存し生活してきた。」
「へぇ~。」
確かに周りを見渡しても、森を開拓したような場所は見当たらない。
寧ろさっきいた森より木々が力強い印象を受ける。
「でもこの道とかはどうしたんだ?
気を切ったりはしないんでしょ?」
「木自体に場所を移動して貰ったんだ。」
あぁ木属性でね・・・。
にしても木が自分で動いて移動するのは見てみたかった。
「そんなことより、早く族長のご自宅に向かうぞ。」
ルーイにそう促され、族長宅目指して再び歩きだす。
木の住宅街を抜け暫く歩くと、大きな湖が目の前に広がり、その近くに一際大きな大樹があり、よく見ればそれが族長宅のようだ。
大樹には窓やら扉やら沢山ついているが、これでもまだ木が生きてるのだから驚きだ。
「族長。例の男を連れて参りました。」
「どうぞ~。」
中から女性の声が聞こえたので、俺とルーイは家に入る。
因みに他の連中は先に帰ったらしい。
「失礼します。」
「お邪魔しま~す。」
中に入ると、全てが木で作られた家具に装飾、ここまで全てが木製だと壮観だ。
「ん?君がとりあえず人間の方?
女性の部屋をじっくり見るなんて紳士的じゃないよ?」
家の中をじっくり見ていると、族長らしい女性に窘(たしな)められた。
「あ、すんません。珍しかったもので。」
「まぁ確かに外ではないだろうね。エルフはあまり里の外に出ないから。」
「族長。そんなことよりコイツの処分は?」
ここでルーイが族長に俺の処分の決定を促す。
「処分か~・・・。」
族長が俺をジッと見つめてくる。
族長はとても美人、というよりは可愛い系の美少女なので、見つめられると少し照れる。
まぁ表情には一切出さないが、心の中じゃ動揺しまくりだ。
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