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暫くすると処分が決まったのか、族長は俺から目を逸らした。
「族長。処分は?」
「別に何もしない方針で。エルシア様も何も言ってこないし。」
エルシア様?誰?
「エルシア様って誰?」
分からないのでとりあえず聞いてみることに。
「あー。エルシア様ってのはねぇ・・・・・・面倒臭いからルーイ説明よろしくねぇ。」
さっきから若干思ってたけど、族長は物凄く面倒臭がりだな。
「はぁ、エルシア様というのは、この森にあるとされる御神木に宿っている、守りを司る神エルシア様のことだ。」
ルノアさんは確か血と影を司る神だったな。関係ないけど。
それにしても守りを司る神か・・・。
ドゥ・ウェルデルヴァーデン・・・守護する森。
その御神木が理由で守護する森か?
「あるとされるってことは無いの?あと神と会話できるの?」
俺も絶対神と会話できるし、まぁ別に驚かないけど。
「代々族長に就くものは、継承の際にエルシア様と交信出来るようになる。
御神木に関しては、あるとされているが見た者はいない。
我らエルフは遥か昔より、エルシア様の言葉を耳にし、エルシア様の御神木のあるこの森を守りながら、この森で生きてきたんだ。」
御神木に宿っているなら神力がある筈と思い、魔力探知を応用して神力を探る。
・・・・・・あった。
ここから北東に10キロか。
そこに御神木があるのかな?
「―――――!?」
すると半分寝ていた族長がいきなり飛び上がった。
「族長?どうかなさいましたか?」
ルーイが聞くが、族長は再び目を閉じて微動だにしない。
「ルーイ。族長さんはどしたの?」
「恐らくエルシア様から何かお言葉あったんだ。」
「へー。」
今更処分についての話がきたとかじゃないよね?
そう祈りながら族長が目を開けるのを待つ。
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