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「あんたがエルシア様?」
神に対して「あんた」はどうかと思ったが、敬語はあまり好きじゃないし、絶対神のシンにため口だから別にいいだろうと思い、ため口でエルシア様に問いかける。
まぁため口なのに様付けは可笑しいかもしれないが。
――えぇ、私が守りを司る神であるエルシアです。
――今は第一の世界樹に宿り、世界と世界の動植物を主に守護しています。
「それで?呼んだからには何か用事があるんでしょ?」
――あなたにお願いしたいことがあるのです。
「内容は?」
――ハダラク砂漠をご存知で?
ハダラク砂漠?
確か前に地図に・・・。
急いで知識に検索をかけ、ハダラク砂漠の情報を探す。
・・・なんか頭の中にコンピューターが1台ある感じだな。
まぁとにかく。
ハダラク砂漠とは、つい最近名前の付いた砂漠で、3年程前に植物が全て枯れてしまい、広大な砂漠になってしまった。
場所はエレズメーラから東に位置する、極東の国サーダという国にあるようだ。
「最近砂漠化したのか?」
普通はそんな早くに砂漠化するものなのだろうか?
――あそこにあった第五の世界樹が枯れてしまったのです。
――原因はサーダが実験していた、大地の生命力を魔力に変換する実験の失敗と暴走です。
「その土地の生命力を魔力に変換なんて出きるの?」
――正直な話、理論上はできますが、到底人の扱える魔力ではないのです。
――サーダは以前は緑豊かな国でした。それが今では自然が失われ、飢餓に苦しみ始めています。
――それであなたに世界樹の種を植えて来て貰いたいのです。
「話は判ったけど、それをするメリットがない。」
残酷なようだが、俺は他人の為に無償で何か出来るほど出来た人間じゃない。
まぁ人間かどうかは、この際置いといてだ。
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