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そんな感じで悩んだり葛藤しながら飛んでいるうちにいつまにか景色から緑は消え、目の前には一面砂漠が広がっていた。
「コートのせいで暑くないから気づかなかったな。」
コートの意外な不便なところを見つけた。
まぁそれは置いといて、とにかく今はサーダ国を見つけないといけない。
「そういや、前は世界樹はどこにあったんだろ?」
予め聞いておけばよかったと少し後悔しながら、ダメ元で辺りの神力を探ってみる。
すると微かだが神力を感じ取れた場所があった。
「・・・あっちか。」
反応があった方角に進路を変え、前に世界樹があったであろう場所を目指して飛ぶ。
「たしかこの辺りだったよな。」
反応があった場所の近くについたので、何かないかと辺りを見渡す。
下を見てもあるのは砂漠の砂ばかり。
唯一違うのはオアシスが一つあるだけだ。
「あのオアシスの近くに植えればいいかな。ちょっとは土地の生命力が残ってるみたいだし。」
オアシスに世界樹を植えることに決め、オアシスに人がいないことを確かめてからオアシスに急降下する。
「よっ、と。
さてと、どの辺りがいいかな?」
ちょうどいいスペースがないか探すと、ちょうど空き地になってる場所を発見した。
「ちょうどいいな。」
その空き地のだいたい中心までいき、少し深めに穴を掘る。
「そういや世界樹の成長には莫大な魔力が必要なんだよな?」
世界樹は他の木々とは違い地面から栄養分を吸収するのではなく、根で地中の魔力を、葉で空気中の魔力を吸収しているらしい。
その点は『喰』属性と似ているかもしれない。
「俺の魔力で足りんのかな?聞いてみるか。シン聞こえてるなら答えて。」
<何かな?>
言うと同時にシンが応答してきた。
「・・・シンは俺を随時監視してるの?」
<やだな~。ストーカーみたいに言わないでよ。>
「ストーカーよりタチが悪いでしょ。」
<神様にプライバシーなんて求めちゃいけないよ(笑)>
「開き直った?! というか(笑)がウザイ!」
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