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<蓮君大丈夫?>
いきなり黙ったのを心配に思ったのかシンが心配そうに訊ねてきた。
「・・・あぁ。で?生きてる人の血?錬金術?」
<そうだよ。生きたままの人を使って賢者の石は作られた。その石は約1500人の命を代償に作られた物だよ。>
たった一つの石を作り出すのに、1500人もの命を犠牲にする古代人の思考が理解出来ない。
にしても一人分の命にどの位の魔力があるんだ?
<一人分でだいたい最上級5発分かな?まぁ人によって誤差はあるけどね~。>
「だから心を読むなよ。」
<因みに蓮君とルノアは簡単に賢者の石を作れるよ?>
「は?・・・・・・あぁ、なるほど。」
賢者の石の材料は生きた人の血。
しかも吸血鬼は血を自在に操れる。
確かに一人で作れるね。
「確かに作れるけど何人分の賢者の石ができる?」
<まぁ最高で100人ぐらいじゃない?>
100人か・・・十分すぎるな。
<一応作り方を知識に入れといてあげるよ。>
「わかった。今度作ってみる。」
<要件はお終い?それじゃアニメみたいからじゃあね~>
ブツンッ
「あ、切れた。」
どんだけアニメみたいんだろ?
まぁとりあえず賢者の石を使って世界樹を成長させるか。
さっき掘った穴に世界樹の種と魔導機の核もとい賢者の石を一緒に入れる。
「我が魔力を喰らい 汝の成長の糧にせよ 逞しく育ち 我らに自然の恩恵をもたらせたまえ 【大地の恵み】」
詠唱を唱え終わると賢者の石が赤く輝き、その光が種に吸い込まれていく。
すると種からいきなり芽が出て、急激に成長し始めた。
「うわっ!?」
足元から急激に成長した世界樹に巻き込まれ、だんだん視界が地上が離れていく。
数分後には成長は止まったので、一旦下に降りてみると、世界樹の根の近くに赤い石が落ちていた。
「世界樹の成長に使ってもまだ余るか。」
賢者の石はまだ3分の1は残っている。
約500人分の魔力量だろう。
「とりあえず土地の生命力にでもするかな。」
賢者の石に魔力を流し賢者の石の魔力に干渉する。
結晶化している魔力を少しずつ分解し地面に流していく。
数分後には賢者の石は跡形もなく消えていた。
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