とある日の日記③

1/1
前へ
/35ページ
次へ

とある日の日記③

君の夢、叶ってるといいな。 実は羨ましかったんだ、君のことが。 人に話せるような夢があって。 私の夢は何だっけ? 私自身もう思い出せない。 ただ、後悔だけはしたくないから、 ちょっと前に進んでるんだ。 今は夢があるんだよ。 誰かの為に花を添えたい。 両親には大反対されたけど、 スーパーも辞めちゃった。 せっかく仕事も覚えたんだけどね。 今はお花屋さんでバイトしてるよ。 あのアパートから近くの、 ちっちゃなお花屋さん。 収入は少なくなっちゃったけど、 後悔はしてない。 してないよ。 もう寂しくもないよ。 …やっぱり後悔してる。 …やっぱり寂しいよ。 私、君の名前すら聞いてないもん。 足りないよ。 あれからずっと。 どうしようもなく、 悲しい。 寂しいよ。 でも大丈夫、私はここにいるから。 あの日の君の夢を支えにしてる。 ちゃんと生きてる。 相変わらず、暗いニュースばっかり。 だから、 少しだけ明るい声で言いたいな。 私がいる場所は、 なんとなく、 なんとなくだけど、 あったかいよ。って。 そう誰かに言ってあげたいんだ。 寂しがりの誰かに、 花を添えてあげたい。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加