とある日の日記①。

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とある日の日記①。

これは私のある日の日記。 誰が見るわけでも無い。 私自身、これは見ないと思う。 でも、どうしても書きたかった。 あの日の私の、確かな想いを、 ただ、こうやって残しておきたかった。 別になんてことない、 ありふれた日常のヒトコマ。 感動もしない、ただの日記。 少し悲しくはあるけど。 それ以上に楽しかった。 映画みたいに誰が死ぬわけでもない。 誰かを愛し続けるわけでもない。 きっといつか忘れる。 いつか見返して、 思わず笑ってしまうかもしれない。 ううん、きっと見返すことすらしない。 それでも残しておきたかったの。 私のバカで、不器用で、つまらない恋を。 咲く前に散った、サミシイ恋を。 カタチにして残しておきたかっただけ。 ある一日の、 たった一夜の、 私の恋の話。 どうか笑ってください。 どうか叱ってください。 …どうか、許してください。 私の恋を。
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