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二時二五分。
店を出て、街へ。
「そういえば、君、学校はサボり?」
少年はドキッとした顔をした。
ははぁ~ん、やっぱりね。
「…行くのが面倒だったんです。
それに天気もいいからのんびりしたくて」
気が合うな~。
「うわぁ、不良少年!
って言っても、
私も空がキレイだったから、
出かけたくなったんだよね~」
「やっぱり天気がいいといいですよね」
「君は雨でも行かない気がするけど?」
「…僕にとってのいい天気は、
いろいろあるんですよ」
ありゃ、図星じゃないですか。
「素直でよろしい、不良少年!」
少年が不満そうに私を睨んだ。
「…よくマイペースって言われません?」
「マイペース?言われる言われるー。
よくわかったね?」
会う人会う人、みんなに言われるよ。
そんなつもりはないんだけどなぁ…。
「この後もどっかに連れ回すんでしょ?」
バレてたか…。
イヤなのかな?
また顔に出ていたんだろう、
少年が仕方ないな、みたいな顔をした。
「で、ドコに行くんですか?」
ちょっと生意気だぞ、少年。
でも、嬉しい…、かな?
「大丈夫なの?」
「学校ならもともと行く気はなかったし、
絵だっていつでも描けますよ。
遊んでる時でもね。
まあ、描きたくなったらいいます」
この少年いいコだよ。
マジでかわいいよ…!
こんな弟が欲しいよ!
「いつでも言って!
すぐにそこに寄るから!」
「お願いします。
んで、ドコに行くんですか?」
行くところ?
「…決めて無いや…」
無計画万歳人間の私に、
行く場所なんて何もないなぁ…。
「…ドコに行こうとしてたんです?」
「…………………………………公園?」
ドコかで鳥のムカつく鳴き声が聞こえた。
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