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いつの間にか休みになった。
時間が経つのは早い。
だから精一杯楽しもうと思う。
少なくとも、まあ、無駄にはしたくない。
さあ、見に行こう。
車で行く必要はないかな。
まあ、歩いていけばいっか。
そんなに遠くないし。
考えたけど、花束はやめることにした。
なんか恥ずかしいし。
玄関の姿見で、最終確認。
服、よし。
髪、バッチリ。
化粧、オッケ。
顔、悪い。
っておい。
何言わすんじゃ!
一人でバカをやりつつ、
扉を開けた。
ああ、去年の今頃だったかな。
君と出逢ったのは。
ちゃんと思い出せるよ。
ねえ、これってまだ恋なのかな?
あの時のキモチって、恋だったのかな?
勘違いでも、思い込みでも、
別にいいや。
だって、苦しいよ。
切ないよ。
なんだか、君に逢いたい。
少し期待してるんだよ。
あの個展に、君がいることを。
単純に絵が見たいってのもあるけどね。
あ、君の絵を見るのも一年ぶりか。
よく君の絵だってわかったな、私。
すげー。
とか考えてるうちに、
個展が開かれているビルの前。
入場料は無料らしい。
どうぞご自由に的な感じ。
中に入るとまず見えるたのは、
太陽と丘の絵。
右端に木が一本だけ生えている。
あの時のスケッチとは全く違う。
本気の絵。
すごい。
「…わあ」
思わず声が出てしまった。
幸い、周りに人はいない。
ちょっと恥ずかしいもんね。
それにしてもこの絵…。
どこかで見たような…?
まあ、いいや。
次に行こう。
油絵からイラストまで、
いろんな絵があった。
ジャンルが幅広いな。
そして道順を辿り、
目立つ場所に、公園とベンチの絵。
ベンチには人が座っていた。
タイトルは、
…[出逢いの場所]?
何のことだろ?
タイトルだし、
描いた本人しかわかんないか。
ん?
また、デジャヴ。
なんだろう?
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