朝、起きる。

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珍しく目覚ましが鳴る前に起きた。 ぼんやりしてもいないし、 まだ眠いわけでもない。 普通に目が覚めている。 何も休日にこんなこと無くても…。 今日は仕事も休み。 と言っても平日のため、 誰かと遊びには行けない。 夜なら行けそうだけど、 明日は私が仕事。 ちょっとツラい。 私は今年で二十歳になった。 高校を出て、スーパーに就職して二年。 就職先に近いアパートで、 一人暮らしを始めて一年。 いろんなことに慣れてきた。 仕事も、プライベートも。 今日みたいな暇な日にも。 こういう日は家でじっとしてるに限る。 無理に出掛けると酷い目にあってしまう。 根暗な私は引きこもってたほうが楽。 …でも二度寝は出来そうに無い…。 完全に目が覚めてる。 あくびも出ない。 …どうしようか…。 ジリリリリリリリリリリリリリリリリ! うるさいっ! 今更鳴るな! まったく…。 お腹は空いたけど、作る気力は無い。 彼氏でもいれば別なんだろうけど、 二カ月くらい前に別れた。 高校の終わりから付き合ってたから、 二年くらい付き合ってた。 お互い就職で休みも合わなくて、 決定打は一人暮らし。 会うことも減って、相手が浮気。 しょうがないかも。 寂しくはあったけど、悲しくはなかった。 自分でも薄情だと思う。 でも本当にそうだった。 こうやって人生に疲れていくんだろうな。 …なんて。 ぐう~…。 締まりの無い音が鳴る。 …とりあえずお腹空いた。 ご飯作ろう…。 料理は私の数少ない得意分野のヒトツだ。 けど、それが発揮されることは無い。 だって独り身だし。 彼氏と別れたし。 好きな男もいないし。 根暗だし。 職場はスーパーだし。 …あー、考えてると悲しくなる…。 ご飯にしよ、ご飯に。
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