一夜恋物語。

朝、起きる。

その後は食器を洗ったり、洗濯。
一人暮らしだからそんなに量は無い。
ただ、面倒だった。
思いっきり決め込んで、
家を出たのはお昼に近かった。

十一時十四分。
出発。

さて、どこに行こうかな…。
行きたい場所も特にないし…。
駅前にでも行こうかな…。
あそこなら一人でも遊べるし。
もしかしたら誰か知り合いがいるかも。
いたらいいなぁ…。
そしたら寂しくないのに…。
まあ、誰もいないんだろうけど。
部屋の鍵を閉めて、
アパートの階段を下りる。
建物の外で、また空を仰いだ。
ああ、うん、やっぱりキレイだな…。
あ、駅前の公園に行こう。
ぼんやり空を見てよう。
お腹が空いたらコンビニで買って、
空を見ながら食べよう。
きっと気持ちいい。
うん、そうしよう。
あの公園なら空も見える。
さあ、行こう。
それに飽きたら、
飽きてから考えればいい。
そんなことを思いながら、
私は歩き出す。
青い空が遠くて、
寂しくなった気がした。