正午から午後、出逢う。

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さっそく後悔した。 一人は寂しすぎるよ…。 死ぬ…。 私のウサギのようなハートが死ぬ…。 自分で言っててキモい…、キモいよ…。 公園まで歩いてる私。 車で来ればよかった…。 でも路駐になっちゃうし…。 あそこ、路駐禁止だからな…。 だー、歩くのめんどいよー…。 私は根暗なんですー…。 なんだかなぁ…。 まあ、いいや、空もキレイだし。 歩きたかったんだよ…、きっと。 十二時も回っちゃったよ…。 お腹も空かないし、まあいっか。 二十歳、性格、超適当、面倒くさがり。 どんだけだ…。 十二時四十五分、公園到着。 うん、やっぱり気持ちいいなー…。 風が爽やかだー。 ベンチにでも座ろう。 ありゃ、先客だ? 男の子か。 学校の制服着てる。 前髪長いなー。 ストレートだし、いいなぁー。 私なんか癖っ毛だから、 どんなにセットしてもウェーヴ…。 いいもん、気に入ってるもん。 このコ、サボり? 小さめのスケッチブック…、かな? なんか描いてる。 隣に座っちゃったし、覗いちゃおう。 「うわぁ…、キレイな絵…」 男の子がびっくりして私を見る。 ヤバっ、声に出してた!? 恥ずかしい…! 「ご、ごめん、ちょっと見ちゃった…」 男の子が照れくさそうに笑った。 あ、ちょっとかわいいぞ、少年。 「いいですよ、減るモンでもないし。 …俺の絵、キレイですか?」 おや、怒らない! 好感度アップだぞ、少年。 じゃなくて。 「うん、キレイ、すごくうまいよ!」 なんか不思議な絵を描くなぁ。 鉛筆しか持ってないのに、 光とか影がすごくキレイ。 「ありがとう。 実はヒトに見せたの初めてなんです」 少年はやっぱり照れくさそうに笑った。
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