猿蟹合戦

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俺は、飢えていた。 ただ、飢えていた。 ここのところずっと餌にありつけず、餌を求めて放浪しているうち、小さな集落についた。 感じるのは今まで経験したことの無い程の空腹。足が重い。体を地面に投げ出し、眠りたい。 しかしそれは死を意味する。体力はとうに尽きた。視界がぼやける。 ただ“生きたい”という執念のみが、俺を動かしていた。 だがそれももう終わりだ。あと50メートルも歩かないうちに、俺は力尽きるだろう。
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