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まさか飢餓によって人生の幕を閉じようとは…
死を覚悟した……その時。
道の向こうから、一匹の…あれは…蟹だろうか。大きな蟹が、歩いてきたのだ。
しかし、俺が注目したのは、蟹が手に持っていた物だった。
その蟹の体の半分程もあろうかという大きなおにぎりを、蟹は持って歩いていた。
そして、俺は、
「蟹さん、そのおにぎりを、僕にくれないかい?」
考えるよりも先に、言葉が出ていた。
相手を警戒させないようにか、自分でもびっくりするような明るいトーンで話掛けていた。
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