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「………え?」
背筋が凍る。
全身から血の気が引き、手が震える。
俺はただ、虫に喰われた柿を、周りに被害が出ないように、もぎとって、放り投げただけだ。良心から。蟹の為を思って。
なのに、なんで。
なんで、あの蟹は、あそこで倒れている?
どうして、動かない?
分かっていた。
俺が、柿を投げたから。
虫が着いていたとか、良心でとか、そんなのは関係なく。
俺が柿を投げたから、あの蟹に当たったんだ。
そしてあんな無惨な姿で、地面に横たわっているんだ。
俺が。
柿を。
投げたから。
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