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沖田さんが原田さんに縄を渡し、側を離れるのを見ながら山南様が紙を机に置いていた。
沖田さんが出ていき、山南様が「話しは少し休憩してお茶にしましょう」との一言から藤堂さんと永倉さんも部屋を出て障子を少し乱暴に閉めた。
そのはずみで僅かに障子が開いていた。
それを見て、外にいる人が緊張したのがわかった。
でも、藤堂さん達がぶつぶつと不平を言いながら遠ざかっていくのを見て警戒を緩めた。
部屋の中の人は、その僅かな隙間からの視線に気が付いていながら、誰もが気が付いていないふりをする。
こちらと違い、外にいる方は、どうやらこちらが気が付いている事に気が付いていない様に見えた。
しばらくしてから、外から何度か物音がして、見えていた人が見えなくなり、暴れる様な音の後、静かになった。
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