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転落
目が覚めた時、熊谷蒸はすべてを失っていた。
耳元で聞こえた謎の声。
壁から浮き出たように感じた人の気配。
思い返し身震いするも、窓から降り注ぐ太陽の光に驚き身を起こす。
時刻を確かめる為に携帯を開く。
時間はまだ7時、出社する時間を過ぎてはいるがこの程度なら大丈夫だろうと、携帯を閉じかけたその時目に映った違和感。
「ん?着信履歴が55件!?夜中に一体――…は?」
着信履歴の多さに驚いたのも束の間、日付を見て固まってしまった。
熊蒸子🎀が熊谷蒸と同一人物とばれてから1週間経っていたのだ。
それからしばらくして熊谷は着信履歴を確認し、残されていた留守電メッセージを聞いて、完全に固まってしまった。
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